ウェブ制作はできる。でも自由になれない──フリーランスに必要なのは“闘いかた”を知ることだった

目次

はじめに──なぜこの話をいま書くのか

この話をブログに書こうと思ったのは、最近、「自由になりたい」「自立したい」と願ってスキルを身につけたにもかかわらず、どこかで行き詰まりを感じている人の声をよく耳にするようになったからです。

  • がんばって学んだはずなのに、なぜか思うように仕事が続かない。
  • フリーランスになったのに、前より時間に追われている。
  • 好きなことを仕事にしたのに、いつのまにか「嫌いになりかけている」。

そんな声に触れるたび、ある故事が頭に浮かびます。そしてその話こそ、これからの働き方に必要な“闘いかた”のヒントだと思うのです。

江戸時代に起きた“商売の転換”

江戸時代、日本刀を扱う商人たちはある壁に直面しました。ほとんどの市民に刀が行き渡り、新たに売れる市場がなくなってしまったのです。

しかし、ある商人はこう考えました。

「刀を手にした人々は、次に“刀の使い方”を知りたくなるはずだ」と。

彼は刀を売るのをやめ、剣術道場を始めました。この発想の転換が功を奏し、道場は大繁盛。刀の需要が尽きたあとに、刀を使った“闘いかた”という新たな需要が生まれたのです。

ウェブ制作という“刀”

あの故事を初めて読んだとき、私は思いました。まさに今、同じことが起きているのではないか、と。

私がウェブ制作の本を書いた頃、

「ウェブスキルを身につければ、場所に縛られずに働ける」
「食いっぱぐれない」

そんな空気がありました。

実際に、職業訓練校でもウェブ制作が取り入れられ、公的にも“手に職”として推奨されていた時期です。

しかし今、ウェブ制作を武器にしたフリーランスは急増し、市場は完全にレッドオーシャン化しました。価格競争、案件の取り合い、営業疲れ。

刀(スキル)を持っているだけでは、もう“自由”にはなれない時代です。

今、問われているのは“構え方”

これはもう、刀が足りないのではなく、使い方が問われているのだと思います。

  • どこで戦うか(市場選び)
  • 誰と組むか(顧客との関係性)
  • どれくらいの頻度で戦うか(働き方のペース)
  • 何を武器にするか(単価/スキルのかけ合わせ)

たとえば、

「営業せずに仕事をもらう仕組みを1つだけ持っている」
「価格交渉をしなくていい“安心できる顧客”を2人だけ持っている」

それだけでも、働き方の自由度はまるで違います。つまり、自由はスキルではなく、構造と選択の結果として、はじめて手に入るのだと思います。

働き方に“型”をつくるということ

私は今、ある構想に取り組んでいます。

それは、働き方や暮らし方を、自分で耕し、自分で組み立て、小さな収入の柱を育てながら、自分らしく自走するための方法論です。重要なのは、“全部自力でやる”ことではありません。必要な道具を見極め、複数の選択肢を持ち、他人任せにせずに、自分の判断で暮らしと仕事をデザインしていくこと。

型とは、繰り返せる動作のことです。たとえば、「毎朝AIに相談して、その日やることを決める」も小さな型。「疲れているときはこの順番で仕事を処理する」も型。

それらを少しずつ積み重ねて、自分なりの“闘いかた”を見つけていく。そうやって、誰かの設計図ではなく、自分だけの「働き方の型」を育てることが必要です。

これは、刀を売る話ではありません。刀をどう構えるか、どう扱うかを考える“道場”のような話です。

これからの自由の話をしよう

すでに刀を持っている人は、たくさんいます。でも、その刀を使って“どう闘うか”を教わったことがある人は少ない。それが今、多くの人が感じている“行き詰まり”の正体かもしれません。

もしあなたが、スキルはあるのに手応えがない、頑張っているのに自由になれていない、そんな感覚を抱いているなら――

このブログでは、これから少しずつ、「闘いかたを見つけるための話」を続けていきたいと思っています。

次の一歩に向けて、自分の“型”をつくるための材料になれば幸いです。

おしらせ

※本記事は、現在進行中の書籍執筆の一環として執筆したものです。

詳細は追って本ブログおよびX(@hattoriweb)にて発信していきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

服部 雄樹のアバター 服部 雄樹 nomadbiz管理人

著書『HTML&CSSとWebデザインが 1冊できちんと身につく本』『Webデザイン見るだけノート』(監修)など|バリ島から南アルプスまで住む場所を変えながらフルリモートでウェブ制作会社を経営。趣味はレコード収集と薪割り。名古屋市出身。猫派。

コメント

コメントする

目次