こんにちは、nomadbizを運営している服部です。「場所に縛られない働き方」をテーマに、スモールビジネスや地方移住、AIを活用した効率的な働き方について発信しています。
今回は、「地方移住の生活費はいくら?都会とのリアルな比較と意外な出費」についてお話しします。地方に移住すれば生活費は安くなると思われがちですが、実際にはどうなのでしょうか?
住居費を抑えやすい一方で、意外なところでコストがかかることもあります。この記事では、私自身の実体験をもとに、都会と地方の生活コストのリアルを比較していきます。
はじめに
「地方移住すると生活コストは本当に下がるのか?」という疑問
まずはじめに、よく言われる「地方は生活コストが安い」という定説について正直にお話しすると、実際にはそれほど変わらないと感じています。私が以前暮らしていた愛知県名古屋市と、今暮らしている山梨県北杜市での生活コストを比較すると、3分の2程度には下がっていますが、物価の差というよりは「暮らし方」によるところが大きく、単純な比較はできません。仮に都会にいた頃と同じ生活をしていたら、全体のコストとしてはむしろ高くなるのではないかと思います。
では、定説と現実では何が違ったのか?この点を本記事で詳しく解説していきます。
「都会 vs 地方」の固定観念について
そもそも「地方は物価が安い」というのは本当でしょうか。
「物価」という言葉の定義にもよりますが、生活費の大きな割合を占める「食費や日用品」に関しては、むしろ都会より高い傾向があります。その理由は、地方ではスーパーの数が少なく、競争があまり生じないためです。
都会では数多くのスーパーがひしめき合い、「このお店はこの商品が安い」「あのお店は価格は高いが品質が良い」といった選択肢が豊富にあります。しかし、私が住んでいる地域では普段行ける範囲にあるスーパーはわずか2〜3店舗しかありません。選択肢が少ないため、多少高くても購入するしかない状況です。スーパー側も極端な安売りをする必要がなく、結果的に都会よりも価格が高めになっています。

例えば、都会では特売で100円前後で売られているような野菜が、地方のスーパーでは150円〜200円することも珍しくありません。道の駅や農産物直売所を活用すれば安く手に入ることもありますが、毎日の買い物でそういった場所に通うのは現実的ではありません。業務スーパーのようなディスカウントストアも地方にはありますが、最寄りの店舗まで車で片道30分以上かかることもあり、「ちょっと安いから」という理由で頻繁に行くのはハードルが高いのが実情です。
実際、たまに都会のスーパーに行くと、その安さに驚かされることがあります。「地方のほうが物価は安い」と言われるのは、住居費や一部のサービス業の価格が低いためかもしれませんが、少なくとも日々の買い物に関しては、都会のほうがコストを抑えやすいと感じています。
住居費は本当に下がる? 賃貸と持ち家、それぞれの違い
地方は本当に住居費が安いのか?—結論は「ケースバイケース」
地方移住について調べると、「地方は住居費が安い」とよく言われます。確かに、都市部と地方の家賃を比べれば、地方のほうが安い傾向にあるのは事実です。例えば、都心でワンルームの家賃が10万円する場所でも、地方なら同じ家賃で3LDKの物件を借りられることもあります。
しかし、「地方に移住すれば確実に住居費が安くなる」というわけではありません。
- 賃貸の場合 → 物件数が少なく、選択肢が限られる
- 持ち家の場合 → 維持費や固定資産税など、賃貸にはないコストが発生する
- 人気のあるエリア → 地方でも家賃が高くなることがある
このように、一概に「地方=住居費が安い」とは言えません。では、具体的に賃貸と持ち家、それぞれのケースを見ていきます。
私のケース:都会の賃貸 vs 地方の持ち家
私は、都会に住んでいた頃は夫婦二人で賃貸暮らしをしていました。現在は、子ども二人を含む四人家族で地方に持ち家を構えています。単純な比較はできませんが、居住空間は約三倍になり、庭も含めると広いスペースを確保しながら、月々の住宅コストは都会時代の約3分の2に抑えられています。
しかし、このコスト削減は「賃貸から持ち家に移行した」ことが大きな要因であり、「地方に移住したから安くなった」とは一概に言えません。むしろ、持ち家には賃貸にはなかったコストも発生します。その点は後ほど詳しく説明します。
地方の賃貸は本当にお得?—家賃は安いが選択肢が少ない
賃貸のまま地方移住をする場合、都市部より家賃は下がる可能性が高いですが、注意点もあります。
- 物件数が少なく、選択肢が限られる→ 人気エリアでは空き物件が少なく、良い物件はすぐ埋まる
- 築年数が古い物件が多い→ 新築やリフォーム済み物件は限られている
- 都市部と比べてアクセスや利便性が劣る→ 駅や商業施設が遠くなるケースが多い
地方の賃貸は確かに安いですが、「理想の物件を見つけるのが難しい」というのが実情です。
持ち家の落とし穴—本当にコストダウンになるのか?
地方では比較的安価に住宅を購入できますが、持ち家には賃貸にはないコストが発生します。
- 修繕費(屋根や外壁のメンテナンス、設備の交換)
- 庭の維持費(草刈り、植栽管理、除雪など)
- 固定資産税(所有している限り発生)
そのため、「地方に移住すれば住居費が安くなる」と単純に考えるのではなく、「どのような住まいの形が自分に合っているか?」を慎重に検討することが大切です。

もっとも、修繕をDIYで行ったり、庭の草刈りなどもガーデニングのように楽しめる方であれば、この部分は問題にならないかもしれません。むしろ、都会ではできなかった「手をかける楽しみ」を味わえるというメリットにもなり得ます。
外食・娯楽費は本当に減る?支出が変わる暮らし方
都会では当たり前の「飲み会・外食」が減る
冒頭で「暮らし方」を変えてコストダウンできたとお話しましたが、特に大きな要因となったのが「飲み会や外食」の機会が減ったことです。
地方では車移動が基本となるため、気軽に飲みに行くことが難しく、都会のように「仕事帰りにちょっと一杯」といったことはほぼありません。運転代行やタクシー、家族による送迎などを利用して飲み会に参加している人もいますが、私自身はそこまでして飲み会に出席したいとは思わないため、必然的に機会が減りました。
また、外食の頻度も大きく変わりました。地方ではそもそも飲食店の選択肢が少なく、ロードサイドのチェーン店が中心です。都会のように「今日はどこで食べようか?」と選ぶ楽しみがあまりないため、「それなら家で美味しいご飯を作ろう」という発想になりやすく、自然と自炊が増えました。
ただし、別荘地や観光地(例えば軽井沢など)では事情が異なります。こうした地域では都市部と遜色ない、あるいはそれ以上に魅力的な飲食店が集まっているため、外食の機会が多くなることもあるでしょう。
エンタメの選択肢が少なく、結果的に出費も減る
また、エンタメについても選択肢が少ないため、結果的に出費が減ります。例えば、都会にいた頃は映画館によく行っていましたが、現在の居住エリアには映画館がありません。映画を観るためには片道1時間以上かけて市街地まで行く必要があり、移動の手間を考えると「まあ、動画配信サービスでいいか」となってしまいます。
また、コンサートや舞台、展示会といった文化的なイベントも都会と比べると圧倒的に少なく、行く機会が激減しました。都会に住んでいた頃は、仕事帰りや休日に「ちょっと気になるイベントがあるから行ってみよう」と気軽に足を運んでいましたが、地方ではそうした選択肢が少なく、何か観に行こうと思うと、遠征するレベルの計画が必要になります。
こういった、都会のエンタメ環境が恋しくなることもあるので、そのあたりは自分のライフスタイルや価値観と相談しながら考える必要があるかもしれません。
地方ならではの「お金のかからない娯楽」が増える
しかし一方で、「お金のかからない娯楽」が増えたことも、地方移住の大きなメリットです。
都会にいた頃は、休日の過ごし方としてショッピングモールやテーマパークなど、どうしてもお金を使うレジャーが中心になりがちでしたが、地方では選択肢が変わりました。
我が家の場合、子どもが小さいこともあり、週末は公園で過ごすことが多くなりました。都会では考えられないような広大な公園がいくつもあり、しかも入場無料。アスレチック設備が充実していたり、川遊びができたりと、自然そのものを活かした遊び場が豊富です。そのため「どこに行こうか?」と考える際に、自然と「無料で楽しめる場所」が選択肢の中心になるようになりました。

また、山や川といった自然環境が身近にあることで、釣りやキャンプ、ハイキングといったアクティビティも気軽に楽しめます。都会に住んでいた頃は、こうしたアウトドアを楽しむには移動や宿泊が必要になりコストがかかっていましたが、地方では「ちょっと川遊び」「近所の山をハイキング」といった気軽な楽しみ方ができます。
冬になれば、近隣のスキー場も手軽なレジャーの一つになります。特に公営のスキー場は非常に安価で、子どもがソリで遊ぶ程度なら無料で利用できる場所も多く、都会ではなかなか体験できない冬の遊びが日常の一部になりました。都会にいた頃、スキー旅行といえば宿泊費も含め数万円かかる大イベントでしたが、今では「今日は天気がいいからちょっと滑りに行こうか」と、週末のちょっとしたお出かけ感覚で楽しめるようになりました。
このように、「どこに行っても何かしらお金がかかる」という都会の暮らしに比べると、地方では自然の中で楽しめる無料の娯楽が豊富で、結果的に出費を抑えながら充実した時間を過ごせるようになりました。
生活コストが上がる?地方移住で増えた支出
車は必須?ガソリン代・維持費・保険のリアル
住居費や娯楽費といった「コストが下がった」部分がある一方で、地方移住によって「確実にコストが上がる」部分もあります。その最たるものが車にかかる費用です。
都市部では電車やバス、タクシーなど公共交通機関を利用することで車を持たずに生活することも可能ですが、地方では移動手段として車がほぼ必須となります。電車やバスがまったくないわけではありませんが、路線や本数が限られているため、日常の移動はほぼ車に頼ることになります。
我が家の場合、私が仕事で外出する際に車が必要なのはもちろんのこと、妻も子どもの保育園送迎や買い物に車を使うため、結果的に2台の車を所有する必要があります。そうなると、ガソリン代や保険料、税金、車検、タイヤ交換といった維持費がすべて2台分発生し、都市部に住んでいた頃にはなかった大きな支出となります。
特にガソリン代は、地方では移動距離が長くなるため、思っている以上に負担が大きくなります。電車やバスに乗る機会がほぼなくなる分のコストは削減できますが、それを差し引いても車にかかる費用はかなりの割合を占めます。また、最近のガソリン価格の高騰もあり、都市部に住んでいた頃とは比べものにならないほどの負担になっています。

さらに、雪が降る地域では冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の購入も必要になります。タイヤは消耗品なので数年ごとに買い替えが必要です。
地方移住を検討する際は、単に「家賃が安くなる」「生活費が下がる」といった点だけでなく、こうした「車にかかるコスト」も慎重に考慮しておくことが重要です。
光熱費は都市部より高い?暖房費・プロパンガス
光熱費についても、都市部よりも確実に高くなりました。
特に冬の暖房費は想像以上にかかります。私の住むエリアは寒冷地に分類されるため、気温が下がると暖房なしでは過ごせません。また、移住するまで知らなかったのですが、水道管の凍結を防ぐための電熱線が配管に設置されており、一定の気温以下になると自動で稼働します。この電力消費が意外に大きく、冬の電気代は都会暮らしの頃と比べて倍以上になりました。我が家の場合、冬の電気代は平均で3万円ほどで、都会暮らしの頃の1万円前後と比べると明らかに負担が増えています。
一方で、夏は都会と比べて涼しく、エアコンを使わなくても快適に過ごせる期間が長いため、夏場の電気代は確かに下がりました。ただし、近年の猛暑の影響で、移住当初よりもエアコンを使う機会が増えており、思ったほどの節約にはなっていないというのが実感です。
また、ガスについても、名古屋市では都市ガスを利用できていましたが、こちらではプロパンガスのため、同じぐらいの使用量でも費用は倍近くになりました。これも初めの支払いの時は本当に驚きました。
地方移住で意外にかかるインフラコスト
テレビを見るのにお金がかかる!?
都会では当たり前に使えていたものが、地方ではコストが発生するケースもあります。 例えば、都会で生まれ育った私にとって民放のテレビは「無料で見れるもの」でした。しかし山梨県では山間部のため地デジの電波が届かないエリアが多く、ケーブルテレビを引くのが一般的です。導入費用として6〜7万円、月々数千円の費用がかかるため、我が家では導入を見送りました。とはいえ、今はYouTubeやNetflixなどの動画配信サービスが充実しているため、それで十分に事足りています。
インターネット回線の選択肢が限られる
もう一つ盲点だったのがインターネット回線です。都市部なら光回線が当たり前のように利用できますが、地方では「光回線が通っていない」「選べるプロバイダが限られている」といったケースもあります。我が家の場合は運良く光回線を引けましたが、地域によってはモバイル回線やWiMAXを使わざるを得ないこともあり、速度や安定性に不安が出ることもあります。
このように、移住前には想像もしなかった予想外のコストや制約が発生することがあるため、検討しているエリアについて事前に十分なリサーチをすることをおすすめします。
まとめ:「地方移住のコストは本当に安いのか?」
コスト面だけで判断しないことの重要性
このように、生活コストが下がるかどうかは 「暮らし方」次第 であり、また、車の維持費や光熱費など 逆にコストが上がる部分 もあります。そのため、「地方移住=生活コスト減」と短絡的に考えず、どんな暮らし方をしたいのかをよく考え、ここまでに挙げたような メリット/デメリットを整理することが大切 です。
特に、移住を決断する前に 「何を優先するか?」 を明確にしておくと、後悔のない選択ができます。
- 「コストを抑えること」 を最優先にするなら、移住後の固定費の増減をしっかり試算しておく
- 「豊かな自然環境や、落ち着いた暮らしを手に入れること」 を優先するなら、コスト増の部分を受け入れられるか考えてみる
結局のところ、大事なのは 「地方移住が、自分の理想のライフスタイルに本当に合っているか?」 です。この点についてじっくり考え、自分なりの答えを出すことをおすすめします。
最後に、田舎暮らしの文脈でよく出てくる 「近所の人に野菜をもらえるから、野菜はほとんど買っていません!」 という話。このイベントは我が家ではまだ発生していません(笑)これは 「あるとラッキー」くらいに思っておきましょう!
付録:この記事の作成におけるAI活用ポイント

- 見出し案の作成(ChatGPT)
- 記事の方向性を整理し、SEOを考慮した見出しのアイデアを出しました。
- 文章のブラッシュアップ(ChatGPT & Notion AI)
- 文章の流れや読みやすさを向上させるため、適宜表現の調整やリズムの最適化を行いました。
- てにをはの修正や、細かい言葉の言い回しについては、Notion AIも活用しました。
- 構成の整理とロジカルな展開の補強(ChatGPT、Notion AI)
- 冗長な部分を削減し、情報の順序を整理することで、論理的に伝わる構成に調整しました。
- SEOを意識したキーワードの調整(ChatGPT)
- 記事の検索性を高めるために、適切なキーワードを盛り込みつつ、自然な流れで組み込むように工夫しました。
- 要点の整理と簡潔なまとめの作成(ChatGPT)
- 記事の締めくくりをスムーズにするため、ポイントを整理し、読みやすい形でまとめました。
AIはあくまで考えるための補助ツールであり、最終的な調整はすべて自分で行っています。本記事の内容は、実際の経験に基づいたリアルな視点で構成されています。
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